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ChatGPTの個人アカウント利用|業務に使って大丈夫?会社契約との違いと移行手順

ChatGPTなどの個人アカウントを業務で使う際に、会社が確認すべき管理上の違いを整理します。退職時の履歴、経費精算で残る課題、会社契約への移行までの暫定条件をまとめました。

職員のAI利用を、病院が指定するアカウントへ切り替える
写真はAI生成のイメージです。

社員が個人アカウントでAIを業務に使う場合、会社は利用者や入力情報をどこまで把握できるでしょうか。承認の際は、学習利用の設定に加え、退職時の停止や履歴の扱いも確認が必要です。会社契約との違いと、移行までの暫定運用を整理します。

01会社契約と個人アカウントの違い

会社契約を検討するときは、組織向けの管理機能を備えたプランか確認します。会社が料金を払うだけで、管理機能が付くわけではありません。下表の項目を、サービスと契約プランごとに調べます。

できること組織向けの管理機能がある契約個人アカウント
誰が使っているかの把握メンバー一覧などで確認申告と本人への確認が中心
アカウントの停止組織へのアクセスを管理者が停止本人に依頼するしかない
入力内容の学習利用の設定契約条件や管理者設定を確認本人の設定に依存する
会話履歴の所在組織内での保存と退会後の扱いを確認本人のアカウントに残る
事故が起きたときの調査取得できるログの種類と保存期間を確認本人の協力なしには進まない

JIPDECとITRが従業員50名以上の企業983名に行った2024年1月の調査では、会社で構築・契約した生成AIを使う企業が15.9%だったのに対し、社員が各自で契約・登録した生成AIを使う企業は19.1%でした。この調査では個人契約の利用も広がっていました。自社の利用状況も、契約の種類を分けて確認します。

02退職時にアカウントと履歴に残るもの

個人アカウントの管理で注意したいのが、退職時の対応です。

営業担当が3年間、提案書の下書きをすべて自分のアカウントで作っていたとします。退職の日、会社は貸与したPCを回収し、社内システムのアカウントを止めます。ただしそのAIサービスのアカウントは本人のものなので、止められません。履歴を保存したままなら、顧客名や案件名を含む業務情報が退職後も個人アカウントに残る可能性があります。

会社が個人アカウントを管理できなければ、何が残っているかや、依頼どおりに削除されたかを直接確認しにくくなります。退職前に利用サービスと履歴の扱いを確認する手順が必要です。

ポイント退職手続きに、業務で使ったAIサービスと、個人アカウントに残る業務情報の確認を加えます。保存が必要な記録を確認したうえで、削除を依頼する範囲を決めます。

03経費精算で通す運用の落とし穴

会社契約が整うまで、社員が個別に契約し、料金を経費精算する方法もあります。この場合は、費用を支払う会社と、アカウントを管理する社員が分かれます。

経費として支払っていても、会社がアカウントを停止したり履歴を確認したりできるとは限りません。利用者の一覧、入力条件、退職時の対応を別途決めておく必要があります。

暫定的にこの方法を使うなら、利用条件と終了時期を決めます。利用人数にかかわらず、会社側で停止や記録の確認が必要な業務では、管理機能のある契約を検討してください。利用を認める範囲の考え方は生成AIの利用制限|全面禁止でよい?禁止する情報と認める業務の決め方にまとめました。

04会社契約までの暫定運用の条件

会社契約が整うまでの間、個人アカウントの利用を認める判断はあり得ます。その場合、次の4つを条件として明示してください。

  1. 入力してよいのは、社外に出しても差し支えない情報だけ。顧客名、従業員の情報、取引先から預かった資料、未公開の財務情報は入れない
  2. 入力内容が学習に使われない設定にしたうえで使う。設定した画面を一度確認する
  3. 使っているサービス名を、情報システム部門に申告する。申告した人を責めない
  4. いつまでの措置かを書く。会社契約が始まる時期を目標として置く

暫定運用の開始時に、会社契約の担当者と切り替え予定日を決めます。間に合わない場合も、延長するかをその時点で確認します。

05会社契約への移行手順

移行時は、会社アカウントの使い方と、個人アカウントでの業務利用を終える手順をまとめて案内します。

会社アカウントを配布し、個人アカウントでの業務利用を終了する日を決めます。個人側に残る会話履歴は、保存義務や事故調査のために必要な記録がないか確認してから、削除を依頼します。案内後も、利用者が切り替えを終えたか確認します。

どのサービスを会社契約にするかの判断軸は、シャドーAIの対策|禁止だけで終わらせない、承認ツールの選び方と申請窓口の作り方にまとめました。

個人側の記録確認を含めた院内指定アカウントへの切替手順
病院での業務例:個人側の記録確認を含めた院内指定アカウントへの切替手順図を拡大して見る ↗

06まとめ

個人アカウントの業務利用では、会社が利用者や履歴を把握しにくく、退職時の対応も本人の協力に頼る部分が残ります。経費精算だけでは、この管理上の問題は解消しません。暫定的に認める場合は、入力情報の範囲、学習利用の設定、利用サービスの申告、期限を決め、会社契約への移行を進めます。

07よくある質問

Q. 有料の個人プランなら、学習に使われないので問題ないのでは

有料の個人プランでも、学習利用の条件や設定は確認が必要です。また、学習に使われないことと、会社がアカウントを管理できることは別です。退職時の対応や履歴の確認まで含めて判断します。

Q. 社員が自分のスマートフォンで使う分には、会社は口を出せないのでは

私物端末であっても、業務情報の入力については社内ルールの対象を明記します。個人の私的な利用と、会社の情報を扱う業務利用を区別し、既存の私物端末の利用ルールと整合させます。

Q. 少人数の会社でも会社契約にすべきですか

人数だけでは決められません。扱う情報と、退職時に必要な管理を基準に検討します。少人数でも、個人アカウントを暫定利用するなら、入力条件、申告、期限、履歴の扱いを決めておきます。AIガイドライン作成代行では、会社の規模と業務に合わせた運用をご相談いただけます。

出典:一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)・株式会社アイ・ティ・アール「企業IT利活用動向調査2024」2024年3月15日公表(調査時期2024年1月19日〜23日、従業員50名以上の国内企業983名)https://www.jipdec.or.jp/news/pressrelease/20240315.html

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