生成AIガイドラインの項目は、対象者、入力、出力、手続き、改訂に分けて確認できます。章の名前をそろえた後は、社員が判断に使う条件が書かれているかを点検します。共通ルールは本文、業務やツールで変わる条件は別表に置くと、重複した記載を減らせます。
01適用範囲と文書の対応表
最初に、誰の、どの業務での利用を対象とするかを記載します。役員や派遣社員、業務委託先など、働き方によって条件の伝え方が異なる場合は、その扱いも決めます。委託先については、依頼業務と契約上の条件を確認します。
本文を一冊で完結させようとせず、次のように記載先を分けられます。この表は、社内文書を組み立てるための例です。
| 項目 | 本文に書くこと | 別表・参照文書で補うこと |
|---|---|---|
| 対象者と業務 | 誰に、どの業務で適用するか | 対象部署と業務別の条件 |
| 利用する環境 | 承認された環境と機能を使うという共通条件 | サービス名、プラン、認める機能 |
| 入力情報 | 情報区分ごとの判断方法と確認権限 | 入力項目、対象外の資料、条件の確認先 |
| 出力の利用 | 照合する内容と業務上の承認 | 業務別の参照資料と確認者 |
| 手続きと改訂 | 各手続きの担当者と変更の承認方法 | 申請先、報告手順、更新履歴への案内 |
別表の利用条件を更新した際は、文書の管理担当者が、本文や社内向けの案内にも修正が必要か確認します。
ツールの選定基準そのものは、シャドーAIの対策|禁止だけで終わらせない、承認ツールの選び方と申請窓口の作り方で扱います。ここでは、選定結果のどこを社員向け文書に載せるかを確認します。
02入力条件の記載例
入力条件は、対象情報、用途、環境、確認が必要になる条件を一緒に書きます。個人情報に注意する、という一文だけでは、何を参照すればよいかが分かりません。

記載例顧客問い合わせへの回答案の作成には、別表に定める入力項目と指定環境を用いる。添付資料の追加や、別の目的での利用を行う場合は、別表の確認担当者へ照会する。
これは文書の書き方の例であり、顧客情報の利用を一律に認める条項ではありません。管理担当者が確認した条件に合わせ、別表の入力項目と対象外の情報を埋めてから使います。
禁止の範囲を決める考え方は生成AIの利用制限|全面禁止でよい?禁止する情報と認める業務の決め方、個人情報を扱う業務ごとの判断は生成AIへの個人情報入力|名前を消せば大丈夫?法令の確認と社内ルールの決め方にまとめています。本文には、これらの検討で決めた自社の条件と、詳細な別表の参照先を記載します。

03出力の確認と業務上の操作
生成された文章を誰が何と照合するかを定めます。誤りがないか確認する、という一文だけでは、数値を確認すればよいのか、根拠資料まで読むのかが分かりません。
商品説明なら仕様や価格、顧客への回答なら問い合わせ内容と対応方針を確認します。人事や契約など判断の影響が大きい仕事は、通常の業務で誰が承認するかを踏まえて確認者を決めます。AIを使ったことで、従来の承認を省略しない扱いにします。

ポイント文章の確認と、送信・登録の実行は分けて定めます。内容を確認した人と送信を承認する人が違う業務では、それぞれの役割を残します。
外部サービスへ接続できるAIでは、下書きの作成、メールの送信、データの書き換えなど、実行を許す操作も明示します。操作の前に人が確認する場所と、誤った処理をした際に停止する担当者を決めておきます。
04申請と報告の参照先
申請フォームや事故対応マニュアルがある場合、ガイドラインには、使う場面と参照先を載せます。フォームの全項目や初動の手順を重ねて書くと、更新時の修正箇所が増えます。
| 本文に残す事項 | 詳細の置き場所 |
|---|---|
| 新しいツールや用途を追加するときの申請義務と承認者 | 利用申請の手順とフォーム |
| 既存条件で判断できない場合の照会先 | 相談窓口の案内 |
| 誤入力などを発見した際の報告先と緊急時の扱い | 社内の事故対応手順 |
窓口の使い分けは生成AIルールの社内周知|配って終わりにしない、早見表と相談窓口の作り方、初動の内容は生成AIの無断利用への対応|発覚直後の事実確認と社外連絡の判断基準を参照してください。
文書の点検では、参照先を実際に開きます。社員の権限ではフォームが使えない、異動前の担当者が記載されている、通常申請と緊急報告の区別がない、といった不備を確認します。項目が存在することと、その手順を使えることを分けて確かめます。
05まとめ
ガイドラインの項目は、記載先まで決めて点検します。本文には共通の判断条件と参照先を残し、変わりやすい情報は別表で管理します。入力と出力の条件、申請や報告の案内を実際の業務に当てはめ、必要な内容をそろえます。
06よくある質問
Q. 既存の事故対応マニュアルを全文転載する必要がありますか
対象となる場面と報告先を本文に書き、詳細な手順を参照する形にできます。参照先が社員の権限で開けることと、緊急時に必要な連絡先をすぐ確認できることを確かめます。
Q. ツールごとにガイドラインを作る必要がありますか
入力や出力の扱いを共通化できるなら、本文は一本にまとめられます。プランや機能による違いを別表に記載し、サービス名だけで全機能を承認したと読めないようにします。
Q. この項目を全部入れれば、自社向けの規程になりますか
項目の下に、自社の対象業務、判断条件、担当者を入れる作業が残ります。別表や既存規程との整合を確認し、ひとつの業務を最初から最後まで判断できるか試読します。
出典・参照資料(2026年9月11日確認)
